阪本嘉一好子

クリムゾン・キングの宮殿:キング・クリムゾン・アット50の阪本嘉一好子のレビュー・感想・評価

5.0
キングクリムゾンは私の好きなバンドであった。特に、グレッグ・レイクがボーカルでベースギターを弾いていた時期(1969、1970)が大好きで、現在もYouTubeを聴きあさり、初期のドキュメンタリーも数多くみた。しかし、1960年代だから、あまり、Live(音源はある) はない。プログロックバンドのメンバーはRobert Fripp, Michael Giles, Greg Lake, Ian McDonald and Peter Sinfieldであり、ピーター・シンフィールドの歌詞、特に、 Epitaph はロック曲のエリートであると思っている。

King Crimson - Epitaph (BBC Radio Sessions, 1969)
https://www.youtube.com/watch?v=znhZYXqnDZI&t=1s

King Crimson - Epitaph (Greg Lake Vox) [50th Anniversary これは50周年記念版:アカペラ・バージョン(00:02:43から)
https://www.youtube.com/watch?v=ssUWSiMlFBU&t=4s

グレッグのボーカルの幅の広さも敬服する。グレッグは『ポセイドンの目覚め』In the Wake of Poseidon のLPのスタジオ録音に参加して、(すでにELP に加入を約束していた)、ELPに移った。義理堅い人だね。ELPも大ファンである。1970年は、個人的にELP( エマーソン・レイク・パーマー)を聴きあさっていたので、1972年の日本、武道館公演に行っている。グレッグ・レイクの美声は注目の的だったと思う。その後も、グレッグ・レイクの2012年のサンフランシスコでのコンサートに娘と行った。スタートレックの船長であったWilliam Shatner (ウィリアム・シャトナー)と同様に美貌の極端な変化について自虐を飛ばしていた。ウィリアム・シャトナーと間違えられるのが困るようだった。



次に、好きな時期は 1974年ごろの John Wetton, David Cross, Robert Fripp, and Bill Bruford の時期。50年以上も活躍しているバンドだし、音楽のスタイルが変わっていってるんだよね。アルバム『 Starless and Bible Black』も傑作のひとつだね。ジョン・ウエットンは『エイジア(Asia)』でも好きなボーカルだった。

https://www.dailymotion.com/video/xvuzpw

King Crimson - Starless/Red (Edit) [50th Anniversary (00:02:57)
https://www.youtube.com/watch?v=np5v3b8Rc3A&t=10s

その後は私はかなりロックから離れてしまっているので、聞いたり聞かなかったりした。

最近、このドキュメンターを見つけて観賞した。(ここに書くことはあくまでも主観だから、ここで断っておく。)50周年記念のドキュメンタリーで、50年独裁者とも言える、ロバート・フィリップの天才ぶりがよく出ているというか、複雑で、アスペルガー症候群タイプの執拗で、完璧主義の性格がよく出ている。完全を求める人に見える彼は、映画界の黒澤明のようで、テクニックだけでなく、音楽理論も音楽界も熟知している権威のある演奏家だと改めて思った。バルトーク風の音楽で、彼らは一度もブルースを演奏しない。それに、他のバンドメンバーがロバート・フィリップの言うことを聞いて、彼が満足できるような演奏をしているように思えてならなかった。しかし、またロバート・フィリップのような娯楽の要素を持たず、実力一本でいく人でなければ、このロバート・フィリップと一緒に長年連れ添っていけないと思った。ということはロバート・フィリップの異質な音楽性をバンドメンバーが理解し同意しているのではないかと思った。
それに、ロバート・フィリップっていう人は私生活もステージの上でも全く変化のないようなギークかもしれない。50年間の演奏スタイルを見てもわかる。彼は全然変わらなく、黙々と演奏している。自分のスタイルを持っていて、ミーハーじゃないんだよね。

ウィッキーから抜粋して現在(2022まで)のラインアップを載せておく。

Robert Fripp – guitar, keyboards, mellotron, electronics (1968–1974, 1981–1984, 1994–2008, 2013–2021)
Mel Collins – saxophones, flute, bass flute, clarinet, bass clarinet, mellotron, backing vocals (1970–1972, 2013–2021) (studio guest in 1974)
Tony Levin – bass, Chapman stick, synthesisers, backing vocals (1981–1984, 1994–1999, 2003–2008, 2013–2021)
Pat Mastelotto – drums, percussion, programming (1994–2008, 2013–2021)
Gavin Harrison – drums, percussion (2007–2008, 2013–2021)
Jakko Jakszyk – lead vocals, guitar, flute, keyboards (2013–2021)
Jeremy Stacey – drums, keyboards, backing vocals (2016–2021)

有名な演奏者たちだが、天才ロバート・フィリップのおめがねにかなった人たちで(あくまでも主観)、インプロバイズ(即興)が得意で、想像力があり、実力がある演奏者たちの集まりで、みなさんはコンサートに行くチャンスがあったら、特に、楽器演奏者は満足するだろう。それに、このドキュメンタリーも。

キングクリムソンの初来日は1981年ごろで私はロックを全く聞かなくなり、彼らの世界から去ってしまっている。来日メンバーはロバート・フリップ、ビル・ブラフォード、トニー・レヴィン、エイドリアン・ブリューだと読んだが、トニー・レヴィンは長く在籍したようだね。(調べてみないとわからないが)60年代のバンドがなぜ初来日がこんなに遅くなったのか、クリムゾンの力を見抜ける配給、プロモーター会社(当時はウドーが有名)や評論家がいなかったのか?知らない。それに、ビル・ブラフォードのインタビューを聞いたことがあるが、ロバート・フィリップの2代目にような人だが、ロバート・フィリップより好感が持てた。人間性を感じさせたから。

ところで このドキュメンタリー(2022)は彼らの足跡がわかるが、初期に焦点を当てていない。トビー・エイミーズが監督し、2019年から2021年にかけて撮影したと。もっとアーカイブを使ってくれたら、私ももっと楽しめたのにと思った。誠に申し訳ないが、細かい技術的なことはどうでもいいのに。(ごめん、ごめん)初期が好きなら、他のドキュメンタリーを薦めるね。


気に入った箇所があるので後でそれを書く。私はこういう人になりたいなあと思っているんだが、全く私とは性格が違いそうである。その人のことをここに書きたい。(実はよく覚えていないのでもう一度ビデオを見てかきたい)

続く
余録:
BEAT tour: Adrian Belew, Steve Vai, Tony Levin, and Danny Carey
アイドリアンがロバート・フィリップに許可を得て、このメンバー(アメリカ人)でBEATを形成して1980年(Discipline, Beat, and Three Of A Perfect Pair. )のクリムゾンを演奏する。ツアーはアメリカ公演のみで24年9月から。
https://www.youtube.com/watch?v=FLHJ5sFo1Lk









余録:自分のメモのため。

*King Crimson - In the Court of the Crimson King 1969 発売
https://www.youtube.com/watch?v=Uw85aNJabkE


*King Crimson - 1969 Jazz Club, Chesterfield 9/6/1969
Setlist: https://www.setlist.fm/setlist/king-crimson/1969/victoria-ballroom-chesterfield-england-7bd88a2c.htmlセットリストから抜粋

https://my.mail.ru/mail/alex-enm/video/2137/605061.html
21st Century Schizoid Man
Why Don't You Just Drop In
(Giles, Giles & Fripp cover)
Epitaph
Get Thy Bearings
(Donovan cover)
I Talk to the Wind
The Court of the Crimson King
Mantra
Travel Weary Capricorn
Improv
Mars, the Bringer of War



*Live in Hyde Park in 1969. 7/5/69
King Crimson - Live in Hyde Park (1969) - Complete Performance
https://www.dailymotion.com/video/x3272u7

*King Crimson- Live in London (7.5.1969) [Full Concert]
https://my.mail.ru/mail/alex-enm/video/2137/297590.html
Setlist: https://www.setlist.fm/setlist/king-crimson/1969/hyde-park-london-england-23d70c73.html


*King Crimson- Live at the Fillmore West (12.15.1969) [Full Concert]
https://my.mail.ru/mail/gruoleg/video/2029/6108.html
setlist:https://www.setlist.fm/setlist/king-crimson/1969/fillmore-west-san-francisco-ca-43d7179b.html
(セットリストから抜粋)
The Court of the Crimson King
Why Don't You Just Drop In
(Giles, Giles & Fripp cover)
A Man, a City
Epitaph
21st Century Schizoid Man
Mars, the Bringer of War
(Gustav Holst cover)



* BBC Prog Rock Britannia: King Crimson
https://www.youtube.com/watch?v=PnKoFHzMs5o&t=1s