犯罪者と吸血鬼の組み合わせは特に目新しくもなく、「フロム・ダスク・ティル・ドーン」が真っ先に思い浮かぶわけですが、何のサスペンスもなく映画中盤から突然吸血鬼映画に変わる「フロム・ダスク〜」に対して、本作は序盤から徐々にサスペンスを盛り上げていくタイプ。しかし登場人物が一人死に二人死に、誰の仕業かと疑心暗鬼になっても、観ている我々は予告編でアビゲイルの仕業なのがわかっているので、サスペンスが盛り上がりません。
また、登場人物は全員子供を攫って金をせしめようとする同情の余地のない犯罪者集団なので、誰にも感情移入ができないまま、アビゲイルと戦って生き残る事が出来るのかというハラハラがありません。
いくらそれぞれに事情を抱えていようと、やっている事が人道から外れているので酷い目に遭っても自業自得という感情しか生まれないのです。
アビゲイルが正体を現して人に噛みついただけで吸血鬼とわかるのも何故?
パニックルーム的に入ったら出られなくなるタイプの屋敷なのに簡単に壁が壊れて一番苦手な日光が入ってくるのでズッコケました。
クライマックスの戦いも何故戦っているのかいまいち分かりづらい。
などなど、もうひとつ詰めの甘いプロットと脚本が気になって早く終わんないかな〜とイライラしてしまいました。