イシャナ監督が宮崎駿監督をリスペクトしているのが良く分かる、極上のホラーファンタジーの傑作。主演のダコタ・ファニングのミステリアスな雰囲気も世界観にぴったりで、少ない登場人物ながらメリハリの効いた演出も相まって、常に緊迫感のあるストーリー運びで観る者を飽きさせない。
現実的に考えれば、今のSNS全盛の誰しもが世界的な発信者になることが出来る時代、自分も含めた承認欲求の塊の人々が多く存在する中で、あのような閉ざされた森が一握りの研究家以外から見過ごされているなどとは考えられないが、宮崎駿監督が自らの映画作品を本科的に制作し始めた80年代ならば、ラピュタやトトロが存在したように、あのような異形の存在も人知れず生きていたのかもしれない。
とにかく、お父上の英才教育の賜物か、はたまた血筋によるものか、もしくはその両方かなのか…私のような生粋のシャマランファンからすれば、大好きな監督が2人になり、その作品がこれからも長く鑑賞出来るかと思うと、身震いするほどの興奮を覚える。