震災の被害にあったシングルマザーの美奈子(長澤まさみ)は一人息子のリョウの行方を探す。しかしレスキュー隊や会社の先輩に声をかけても誰にも気づいてもらえない。
途方に暮れる中自分の存在に気づいてくれたアキラ(坂口健太郎)と出会い、アキラと一緒にある場所へ連れて来られる。
そこはこの世に未練を残した人が集う場所だった。美奈子は自分が命を落としたことを知り悲嘆に暮れるも、お互いの未練をなくす為に協力していくことで見えてくるそれぞれの人間模様。
丁寧に心を撫でてくれるような映画だった。別れについて考え切なくなった。
これまでにいったいどれだけの別れを繰り返してきただろう。
最初の別れはいつで誰だったろう。
アスファルトに落ちる最初の雪の結晶のようにきっと誰も意識しないだろう。
いまこの世を去ったとして僕にはどんな未練が残るだろう。
誰に会いたくなるだろう。
誰を探し求めるだろう。
美奈子とリョウのシーン。
自分の母のことを思った。
きっとこのシーンで涙を流すだろう。それは簡単に予想できる。
精一杯生きようと思う。