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あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。のichiのレビュー・感想・評価

3.5
進路に悩む高校三年生の加納百合(福原遥)は進学を勧められるも、就職の意思を頑なにあらわす。それは、父を亡くしおんなてひとつで家計を支える母を思ってのことだった。
お互いを思うことで起きたすれ違いで母と喧嘩をしてしまった百合は雨の中家を飛び出す。子供達の秘密基地を見つけ雨を凌ぐために入ったところで雷が落ち、目を覚ますとそこは1945年の日本だった。
そこで出会った佐久間彰(水上恒司)。
次第に心を通わすも佐久間は特攻隊員だった。
時を飛び越えて出会った二人の恋の結末は…

6年付き合っていた彼女と別れ話をした後の帰り道、そのまま家に帰りたくなくかつ何か違う理由で泣きたいと思い、泣けると噂の本作を観た。

まさかの時を超えるファンタジー設定に身構えてしまったが、次第にその設定も気になることはなく、2人の恋の行方に心を震わせた。

結末が決められてる特攻隊員との恋に無理やり、結ばれることのなかった自分の恋に重ねる。が、やっぱそれは無理がある。

切なくて少し泣いて、結局いつの間にか別れ際の彼女の姿を思ってわなわな泣いた。
愛する人のために生きることを選ぶことも、特攻隊としての誇りを胸に愛する人を残して飛ぶことも、どちらもとんでもない精神力が必要で今後の2人のことについて今日まで切り出せなかった自分の情けなさが際立つ。

純粋な映画の鑑賞ではなかったかもしれないが、誰かのために命を削るような生き方を選びたいと映画を観て改めて思った。

ただ、彼女の幸せを願う。
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