実直だ。近年はサイドストーリーや想定外の展開で心を動かすドキュメンタリーが増えたが、本作は地味な対象にひたすら向き合うストロングスタイル。私はたまたまテーマに興味を持ったのでフムフムと面白く観たが、間口の狭さそのままの展開なので観る人は限られてしまうなともったいなくも思った。
「テレビみたい」という人がいるかもしれないが、今のテレビはこんなに丁寧に突き詰めることはできないだろう。
だからこそこの手の作品・作家が認知されるべきだと思うが、名を売ってやろうなどという商魂は良くも悪くも感じられないし、それは監督のストロングなキャリアからも明らかだ。