相変わらずノーランは時間を描く、というか時間に囚われている。時系列がインセプションのような入れ子構造で理解するのに時間がかかるし全部理解できていないと思う(特に後半)。しかしいつものように大仰な音楽で「ここです、ここでドキドキしてください」とナビゲートしてくれるのでなんとなく分かった気になる。次から次へと出てくるスターも眼福だ。
被爆国としては当然アメリカ人と同じ気持ちでは見れない。ただし描き方には配慮もあり、怒るようなことはなかった。また、陰謀パートとなる後半も、政治的な理解のなさでアメリカ国民と同じ気持ちでは見れないだろう。
それでも結局何が言いたいかというと、過去に起こしてしまったことが引き起こす未来への不安だ。この点は軍事力を持つ国に住む人は大いに共感できるだろう。