りっく

セキュリティ・チェックのりっくのレビュー・感想・評価

セキュリティ・チェック(2024年製作の映画)
3.7
空港を舞台にしながら、パイロットや客室乗務員といったいわゆる花形ではなく、空港を陰で支える者たちがひたすらバックヤードで脅威と立ち向かい、その活躍を乗客たちはきっと知らないであろう、全編にわたる慎ましさとプロフェッショナル精神、そしてジャウム・コレット=セラのシチュエーションや狭い空間を最大限に活かしたアクションとスリラーとして盛り上げる職人的な交通整理力が遺憾な発揮された一作。

タロン・エガートンも父親になる不安や自覚を背景に、「何もしない」ことを死神のようにつきまとう犯人から強要されトイレで嘔吐する精神的な脆さや人間的な弱さから、自らが能動的に行動する成長物語も劇中の展開とともに並行して描かれており、超人的な男らしさではなく、等身大の人間として脅威と対峙する姿勢が好感が持てる。
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