ヨーク

プー2 あくまのくまさんとじゃあくななかまたちのヨークのレビュー・感想・評価

3.1
この夏は色々と観たい映画があるんだからこんなの観る暇ないよ! と思っていた『プー2 あくまのくまさんとじゃあくななかまたち』だが、まぁ感想文書いてる時点で分かると思うが観てしまいました。興味があるなら読んでいただけると分かると思うが、前作『プー あくまのくまさん』では結構ボロクソな感想文を書いていたしその中でも「こんな出オチみたいな映画に客が入ってて驚き!」ということをしつこく書いていたのだが、
その出オチ以上に面白いところがあるのかよっていう映画の続編なんか出しても面白いわけないだろ! と思っていたわけですよ、俺は。
ところがこの『プー2 あくまのくまさんとじゃあくななかまたち』だが、正直に言うと前作よりは面白かった。実際スコアも前作よりはやや高めになっている。これはちょっと意外でしたね。もっとグダグダな感じのある続編になっているのだと思っていたがそこまで悪くはなかったのである。特に露骨に予算が増えたなというのが分かる続編になっていて、関係者でもないのになんだかうれしくなってしまいましたよ。あぁマジで前作ヒットしたんだなぁって。特に映像面でのパワーアップは目覚ましくて前作では玩具みたいな被り物だったプーさんはじめ森の仲間たちのクリーチャーたちもかなりしっかりとした造形になっていたし、冒頭では特に意味もないのにキャンピングカーをひっくり返すみたいな限界予算映画ではできない芸当も披露していた。終盤には大人数のレイヴパーティーとかもあるしその辺は明らかに予算増大の恩恵を受けた部分であろう。その辺は何か報われてよかったなぁ、みたいなしみじみ感はありました。
まぁそうは言っても予算が増えたところで大して面白くはなかったわけだが! 前作と比べたら面白かったよというだけのことでそもそも前作がクソ映画だったんだからそれよりちょっとはマシになったねって言ってもそんなもん焼け石に水みたいなもんなんだよ! しかし俺はクーポン使って無料で観たのでノーダメです。なのでそのこともあって俺的にはまぁこんなもんでいいんじゃねくらいの優しい目で観ることはできた。
お話はというと殺人プーの殺戮を生きのびたロビンが町に戻ってきたのだが、プーは再び殺戮を開始するために森の中だけでなく町にも進出していく…というもの。いやー、マジでそれだけですね。前作もストーリーなんて無かったようなもんだが今回もない。まぁプーはじめクリーチャー共がが森の中だけでなく町にも出てくるというのは上記した予算増大の結果でもあるのだろう。ある程度広い舞台で撮影できるから折角だし町のシーンも入れようぜってなもんだ。
まぁそんな風に予算が増えて出来ることが増えたのは良いのだが、何を勘違いしたのかちゃんとしたストーリーがある映画にしようとしていたのはいただけなかったな。上でストーリーなんてないと書いたばかりなので? となるかもしれないが、実質的にはストーリーなんてない映画にも関わらず尺埋めなのか何なのか、ロビンの幼少期のトラウマ的な誘拐エピソードとかが入ってきて物語らしき何かを描こうとするんですよ。それがまぁかったるい。前半と後半の殺戮ショーパートはそれなりに楽しいのに中盤のロビンの過去パートみたいなのがすごく足を引っ張っていてテンポを損なっていたと思いますね。監督にはかつての友情がどうとかそんなのこの映画に誰も期待してないから…と言ってあげたいですよ。
そんなわけで中盤の間延び感がイマイチでかったるく感じてしまったのだが、俺が本作で一番観たかったのは予告編にもあったバニーガール的な蛍光水着っぽいエロい衣装のおねーさんがぶっ殺されるところで、それは後半のレイヴでの殺戮シーンに含まれていたのだが期待を裏切らないハイテンションな殺しっぷりでとても良かったです。ホームランダービーされちゃったらもう爆笑しちゃうしかないよなぁ…って感じで満足でしたね。そういう意味では前作もそうだったけどスラッシャーホラーとしては真っ当に面白いんだよね。
プーさんが殺人鬼という飛び道具的なアイデアがなけりゃここまでストレートなスラッシャーホラーが陽の目を見ないのは逆に悲しいと前作の感想では書いたが、まぁでもそういう映画が作られるということはそれだけでもありがたいことなのかもしれない。重ねて書くが、別に面白いとは思わないがこういう方向でジャンル映画が延命していくというのはそれはそれでアリなのかもなーとは思いましたね。
ちなみにピグレットの扱いが残念とかいう感想をいくつか見かけたが、ピグレット出てたっけ!? 今回は珍しくほぼ寝ていないと思うのだが、一瞬ボーっとしたときとかに処理されていたのだろうか。まぁどうでもいいがな!
ヨーク

ヨーク