日本アニメなのにMGMのプロダクションロゴが出てめちゃくちゃビックリしたけど、MGMミュージカルの金字塔に比類すべき、「雨に踊れば」のシーンで心を鷲掴みにされてしまった。
観賞直後に原作も読んだ。
原作の見開きを使った「静」表現も泣きそうになったけど、映画ならではの「動」。あれだけでも映画化する意味は200%ある。
「デデデデ」はSFだからやり直せたが、現実はやり直せない。
でもでも、だからこそ「物語」は存在価値を放つ。それでも踏み出す主人公。
作り手自身も「物語」に背中を押される。
1時間にも満たない映画に、会員割引も効かない1,700円はどうかと思ったけど、特典のストーリーボードはその差額以上の値打ち。
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3回目を観てからの追記。
藤野ちゃんが京本の画力に打ちのめされて、教室のクローズショットからどんどん引いて、最終的にあり得ない巨大な教室のひとつの「点」にしか過ぎなくなる演出は、上に書いた「雨に唄えば」と並んで私の生涯ベスト「アパートの鍵貸します」でCCバクスターが働いているあのオフィスと同じだよな。
その風景をアップデートしたのがアラン・パーカーの「ピンク・フロイド/ザ・ウォール」の教室ショット。この映画の教室はあれにそっくりだ。
"All in all it's just another brick in the wall!"
あと、昨日観た「ブルー・ピリオド」も同じ方向で傑作でした。
小学生の頃、(学年新聞ではなかったけれど)四コマ漫画を描いて教室中に回し読みさせてたし、(地方紙だけど)新聞の水彩画コンテストに入賞したこともあり、高校では美術部に入って油画に触れ、でも才能なんかないことに気づいて(だから、私は絵を諦めたんだけれど)。
なんか、全部自分ごとだらけの映画たち。