58分という中編なのだが、心に残る作品。
原作未読だがストーリーはそのままのようで、原作者藤本のセンスの良さがストレートに出ていて、これがプラスに働いているのだろう。
ファンタジーではあるが、無理をせずに静かに流れるストーリーが魅力で、その取り入れ方に感心してしまう。
不登校の京本のキャラが良くて、感情移入がしやすい所に、あのラストを持ってくるのは盛り上げ方が上手い。
二つの世界が一瞬だけ触れ合うというアイディアも良くて、ハッピーエンドにしていない所も余韻を残す。
また、中編だからこそのスピード感もあり、まとめ方は上手い。
贅沢を言えば、動きが少し雑かな。もう少し滑らかな動きの方が作風に合っていた気がする。
58分とは思えない密度で楽しめる作品。
