1977年公開。これもまた70年代らしい豪華オールスターキャストによる大作戦争映画。ネタバレ全開のタイトルが示す通り、史実である散々な失敗に終わる連合軍の一大作戦を描いていて、憎きドイツ軍をやっつけるというこの手の大戦映画に期待するカタルシスがまったく得られないという異色作。若い頃に観た時は後味の悪さに戸惑ったけれど、改めて観るとこれだけのスターと莫大な製作費を突っ込んで壮大な皮肉をぶっ放したアッテンボローは大したものだなっていう感慨が湧いてくる。
それでもやっぱり映画として良く出来ているかと言えば微妙なところで、多彩な登場人物と場面転換の多さのせいか、肝心の作戦の全体像が把握できず物語への理解がちっとも深まらない。一方で膨大な物量とエキストラを動員して撮影されたスペクタクルな映像は非常に見応えがあって、特に輸送機が次々と離陸して無数の落下傘兵が大空を埋め尽くす画には圧倒される。あと今回ウン十年ぶりに観て、はっきり憶えていたのはジェームズ・カーンが軍医に規則を破るよう銃で脅して瀕死の負傷兵を無理やり手当させるシーン。昔はその男気にたいそう感動したものだけど、皮肉っぽいジジイになった今の自分には作為的で陳腐な演出だと感じてしまった。175分。長い。