あいつ

少女ヘジャルのあいつのレビュー・感想・評価

少女ヘジャル(2001年製作の映画)
4.5
感動した、良かった!
本作はトルコで上映禁止になった過去がある。そんな映画を近所で100円レンタルできるなんて感慨深い。私は無知なのでクルド人がこんなに悲しい民族だとは知りませんでした、何かごめんなさい。戦争や社会問題作って堅苦しく、難しいイメージで敬遠しがち。だけど本作はすんなりと入ってきました。
ストーリーは単純なのに社会問題(全体主義的排外性、格差社会、貧困)をサラッと伝える、シンプルで深い映画でした(こうゆう作品みると『映画だー!』って思う、何となく…)。

女性監督よる作品だからか…優しくてマイルドな仕上がりで見終わった後はズッシリじゃなくて心が温かくなる。感動と願いで胸いっぱい。
俳優さん達は知らない方々ですが、素朴で魅力的な演技でした。
主人公の頑固者ヘジャルちゃんが可愛いんです。途中、赤いコートに着られてる感MAXのヘジャルが可愛い(本人はトルコ人めっ!って気持ちなんだろうけど…)


⚫︎ストーリー
元判事ルファト爺の隣人一家は警官に襲撃され、皆殺しに…。たった一人生き残ったクルド人ヘジャル(6歳くらい?)は両親も殺されていて行き場なし。ルファト爺はヘジャルを匿うもののどうしていいか分からず、拒絶気味。クルド語しか話さないヘジャルとルファト爺の間に立って橋渡しをしてくれたのは、家政婦サキネ。(←クルド人って身分を隠し、トルコ人として長年暮らしてる)やがて心を少しずつ開くようになるヘジャルとルファト爺だったけれど…。

⚫︎補足
各国で映画賞を受賞し、2002年のアカデミー賞外国語映画賞の候補作としてトルコから推薦された作品らしいです。