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NN4444のude2baruのネタバレレビュー・内容・結末

NN4444(2024年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

四作に共通して言えるのは「解決しない不条理ホラー」というところで世にも奇妙な物語が好きな人は好きになりそうな短編集



クズ彼氏やセクハラ上司、パワハラ上司の気持ち悪さが上手い
主人公のカエデの芯の無さやとらえどころが無く様々なものに抑圧されている感情表現が良かった
テーマとしては己の獣性の解放なのだろうか
カエデ自身も決して善人というわけではなく問題に対してひたすら立ち向かわず逃げていたのも印象的だった

Rattattat
拍手の怖さ、同調圧力という軸一本で描いたホラー
途中で挟まるSANチェックじみた幻覚や儀式じみた出産シーンはCoCTRPG味を強く感じた

洗浄
4作の中では一番好き
湖畔の別荘×陽キャ=無残な死の方程式が最初から見えていたのでニコニコして見れた
寄生虫なのか呪いなのかは明かされないが、感染の条件がいまいち統一されていなかったのが少し消化不良
最初の二人は声を掛けるor身体に触れたタイミングで感染対象にされていたが最後の一人は水をかけられるまで襲われなかったのは何故なのだろう
勢いで魅せる内容に反して全体の描写がジットリとしているのが特徴で面白い分、細かいところが気になってしまった
主人公を演じる夏子さんのミステリアスな雰囲気や感情の読めない目がとても好み
酒は呑んでも呑まれるなってこと

Void
青春汚染ホラー
失うことに対する負の感情が消えて行くのは渦の影響なのかそれともその現象があるから感情が発露されず渦ができるのか、人によって解釈が分かれそうなところ
食事シーンはヘレディタリーを思わせるような嫌な空気感で素晴らしい
父親が無関心なのも共通点を感じた
音の使い方がうまく虚空の音とも言えるような音の反響は劇場で見てこそだと思った
1シーンのみの登場だがオカルト系ライター(仮)と胡散臭い霊能力者(仮)のコンビはあまりにも大好物なのであの二人を本筋に関与しない語り部兼解説役においたオムニバスシリーズが見たい
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