わがはい

荒野の用心棒 4K復元版のわがはいのネタバレレビュー・内容・結末

荒野の用心棒 4K復元版(1964年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

稀代の名優クリント・イーストウッドの大出世作。
黒澤明の『用心棒』をもろパクリしたことで曰く付きだが、それでも本国アメリカでぱっとしなかったイーストウッドの名を一躍ヨーロッパに轟かせ、その後の「マカロニ・ウェスタン」ブームを巻き起こし、黒澤明のハリウッド進出を決意させた歴史的にも重要な作品だ。

もうオープニングだけでテンションブチ上がり。
あの時代でしか作り得ないにもかかわらず、今の時代でもとにかくオシャレでかっこいい。
そしてエンリオ・モリコーネの音楽も言わずもがな。

肝心の内容はというと、昔ながらのシンプルな勧善懲悪と侮るなかれ。
意外とストーリーが入り組んでいて一見では理解できない展開が結構ある。
あとイーストウッド以外が似てる人物が多く、暗闇の銃撃シーンなんかはもはや誰が撃たれて誰が生きているのか分からない。
ライバル役のラモンなんて途中で別人物になっているような錯覚にすら陥る。。

主人公である"名無しの男"ことジョーは、座頭市的な理不尽なまでの強さで悪党を制圧するのかと思いきや、物語中盤でしっかりフルボッコにされる。しかも尋常じゃないくらいメッタメタのボッコボコにやられる。
でもだからこそ最後の決闘シーンでダイナマイトの白煙からジョーが現れると「キター!カッケー!」となるのだ。

悪党にひき裂かれた家族を街から逃がす際、なぜ親切にするのか?という夫人の問いに、「むかし、救えなかった女がいたからさ」ってセリフがかっこよすぎて悶絶しました。。
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