わがはい

ヴェルクマイスター・ハーモニー 4Kレストア版のわがはいのネタバレレビュー・内容・結末

3.1

このレビューはネタバレを含みます

長回しの巨匠タル・ベーラによる長回しの映画。

傑作と呼ばれる作品だが自分は受け付けることが難しかった。

元も子もないことをいうが、長回しが邪魔。
そこに意図や意味があり観る側に訴えかける長回しなら美しいのだが、ただただ冗長で、個人的には監督の自己満が過ぎるとしか思えなかった。

①冒頭、ヤノーシュがふらっと酒場にやってきて狂言廻しを始めるシーンは期待感を高めるのだが、以降との繋がりが感じられない。
②おじさんと分かれ道で別ルートで帰るだけのショットが延々と続く。
③キッズ2人がギャーギャー騒ぐシーンがこれまた延々と続きイライラ。もういいって。観る側の眠気を誘ってまで1分で十分なシーンを10倍にする意味は?
④住人がついに暴徒化して街中を集団で闊歩するシーンは迫力満点で最大の見せ場と言って良いのだが、無駄に長いせいで病院に着いた頃にはこっちが冷めている。
⑤ショッキングな病院での暴力シーン、意外に迫力がなくてポカーン。
そしてある意味伝説のふるチンお爺さんの神々しさにやられて帰っちゃうシーンはもはや高尚なギャグ。なぜか90年代の漫☆画太郎作品を思い出した。

偽悪的に書いてしまったが、この前までごく普通に暮らしていた当たり前の生活が自分ではどうしようもできない、取り返しのつかない事態になっていく様はおぞましく、ゾワッとした。

まーただ、、146分もあるらしいが、ぎゅっとしたら別に60分で十分な映画。
感情的に、観るタイミングがない作品だと思う。
わがはい

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