もた福まんじゅう

続・夕陽のガンマン/地獄の決斗 4K復元版のもた福まんじゅうのレビュー・感想・評価

4.5
ドル三部作の最終章。この中では少しコメディ要素があってそれでいてカッコ良さも失わない。クリント・イーストウッドが毎回ピンチに立たされるのはお約束。神様はいつもジョー(The Good)の味方なのか?ここぞという時に天が味方する。
一番好きなエピソードは、イーライ・ウォラック演じるテュコ(The Ugly )が自分の兄のいる修道院へ色々あって行く事になるのだが、久しぶりに再会する2人が歪み合いながらもお互いを思う気持ちが表情や声に現れていて泣かせてくれる。このドル三部作はわりとドライで泣かせようとしないのが良いところだけど、こういうシーンをドライな中にポンと入れてくると際立つ。さすがセルジオ・レオーネ。
夕陽のガンマンでは、妹の復讐に燃えるモーティマー大佐役だったリーバンクリフは、この話では一転して悪の中の悪になる(The Bad)。夕陽のガンマンのモーティマー大佐のかっこよさに痺れていたのでまさか悪役と思ったが超ハマっていてここまで悪に徹すると気持ちがいい。
映画の雰囲気自体がどちらかというとコメディよりだからかもしれない。
だけれども、この映画は、大半が南北戦争の渦中の中で繰り広げられているため、戦争に対する反戦のメッセージが随所に込められている。橋の爆破の経緯などにもそれは込められている。
人の命は何よりも変え難いはずなのに。
とは言いつつも、ドル三部作は人がたくさん死ぬし、その死も結構ドライに扱っているので矛盾しているのではとおもうかもしれないけど、戦争なんてもっと人の命を蔑ろにしているから、というとメッセージも感じられる。
最期の三つ巴(と言っていいのか)のシーン。
やはりエンニオ・モリコーネの音楽が緊張感を際立たせる。そしてカッコ良すぎるんだよー!
夕陽のガンマンシリーズに関してはクリント・イーストウッドは主人公だけど脇役のような感じ。
この映画の主役はテュコかなと思っている。
最後もハラハラさせてくれます!
荒野の用心棒で出てきた首吊りの縄はここに行き着くのだろうか?