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イカとクジラのymsk1017のレビュー・感想・評価

イカとクジラ(2005年製作の映画)
4.0
ノア・バームバックは"家族"に異常な執着がある。私も。だから毎回自分には何か刺さるのかもしれない。

自身も両親が離婚しているというノアは当初、今作をウェス・アンダーソンに依頼していたらしいが、あまりにも個人的な内容なので逆に本人が監督をやるように説得されたらしい。

現状に耐えきれず浮気しまくる妻、どうやったってもう無理なのにまだ何か変えられると思ってる父。うまく対応してるように見えても子どもって環境の変化についていけないよ。最終的に別に何も解決しないのがこの映画の良いところ。

「ソーシャルネットワーク」のジェシー・アイゼンバーグ、髪の毛長いと美青年!(だけど相変わらず猫背笑)生意気でいけすかん奴だけど、中盤題名でもある「イカとクジラ」の正体が意外な形で登場する。そこにグッとくる。大人ぶってたって結局は子どもだし親の愛情が欲しい。

ラストでルー・リードの"Street Hassle"がかかり、何か始まりそうで物語は終わってしまう。ノア作品を見るたび、結局のところ何処にも答えは無い"家族"の在り方を毎回考えさせられている。
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