ペイン

キラー・インサイド・ミーのペインのレビュー・感想・評価

キラー・インサイド・ミー(2010年製作の映画)
4.3
キューブリックやスティーヴン・キングが惚れ込んだジム・トンプスン(※キューブリックの『現金に体を張れ』の脚本に参加している小説家)による禁断のノワール小説『内なる殺人者』の映画化。

正直、キューブリックやらスコセッシやらフリードキンやらがこれを映画化したらどれほどの怪作になっただろうかと思わなくもないし、本作の監督を務めたマイケル・ウィンターボトムの演出は垢抜けない部分もあり、今一歩大傑作になり損ねた感はある。ただそれでも余りある原作の魅力がだだ漏れちゃってもいて、テイストとして非常に私好みというのもあるが、ひいきめに高得点をつけてしまった。

娼婦を演じたジェシカ・アルバも、私が今まで観てきた彼女の出演作のなかでも一際ハマっていたと思うし、なんといってもケイシー・アフレックが体現する(見事!)主人公ルーの一見温厚なように見えて突発的に表出する凶暴性に戦慄させられる。殺し方がとにかく酷い(※『ヒーローショー』とかにも通じるようなアンチカタルシスな暴力描写)。

ラストで拍子抜けという意見もあるようだが、ビックリドッキリクリトリスな鮮烈なラスト。
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