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キラー・インサイド・ミーのpikaのレビュー・感想・評価

キラー・インサイド・ミー(2010年製作の映画)
4.0
フォローしてる方のレビューが完璧すぎて何も言えねぇ‥状態なので感想だけ適当に。

「アメリカンサイコ」や「パフューム ある人殺しの物語」みたいな映画が見たいとツイートしたらおすすめいただいたので見てみた。殺人鬼視点映画は傑作ばかりなのか例に漏れずめちゃくちゃ面白かった。
ケイシー・アフレックが良すぎる。兄貴のファンなので『似てるわ、おほほ』なんつーて見てたけど兄貴よりも演技が上手いし声がめちゃくちゃ良い。あのささやきボイスと無感動なスカし顔が作品最大の魅力とか言いたくなるくらい最高だった。
モノローグ付きの一人称映画なのに主人公が何を考えているのかサッパリわからないところが良い。「とても幸せだ、だが殺すことは決まっている」と何かに駆られてやらざるを得ない苦悩に苛まれているような口ぶりなのにその理由や背景は後付みたいな軽い扱い。言葉とは裏腹にウキウキと実行していく様や、観客が気持ちを寄せやすい友人や上司の言葉に対してアッというような返答をしてみせる様など、上辺の取り繕いも衝動もめちゃ適当。単に欲望がどうとか復讐がどうのみたいな理解しやすい共感部分のなさが良い。簡単に納得してしまえる狂気ってのはフリでしかないんだなと実感した。
原作が有名な傑作らしいけど、アレンジが上手いのか映画映えしている。フィクションのキャラクターであっても他人の主観を疑似体験すると言うのは日常では難しい別の価値観を体感することができるわけだけど、まさにそこが魅力の映画であったし演出が意図に完璧にハマっている。理解不能な行動をする他人は現実に大勢いるわけだし。ケイシー・アフレックの説得力が凄まじい。
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