ゼロ

フォロウィング 25周年/HDレストア版のゼロのレビュー・感想・評価

3.9
天才クリストファー・ノーラン衝撃のデビュー作。

1999年のイギリス映画。あのクリストファー・ノーラン監督が脚本・撮影・共同編集・監督・共同製作をした衝撃のデビュー作。

今のクリストファー・ノーラン監督が持っている時系列シャッフルや大どんでん返しも、本作にはあった。70分という短く、かつ、低予算で作られているのを逆手に取り、白黒映画にして、フィルム・ノワール作品として昇華している。

ストーリーを語るとネタバレになってしまうが、作家を目指す男・ビルが、暇つぶしに尾行をしていたら、尾行がバレてしまった。彼の名前は、コッブというらしが、彼と共に盗みを働くことになったのだが…というもの。

脚本の素晴らしさは、観れば分かる。最初は、登場人物の意図が分からなかったりするが、最後まで観れば行動理由が分かる。時系列シャッフルをしているので、ある登場人物が分からなくなったりするのだが、全てが後半になれば分かる。

たぶん時系列シャッフルというキテレツなことをしなくとも、時系列順に流しても面白さの質は変わらない。だから、ノーラン監督は、この演出をしたかったから入れたのだと思う。

本作の次に「メメント」の監督をしており、本作では必要性があまりなかった時系列シャッフルに意味を持たせるようになった。

つまり、デビュー作から大物になる片鱗はあったというのが分かる。

短い時間で、少し変わった作品を観たい!もしくはクリストファー・ノーラン監督のデビュー作を観てみたい!という人には、おすすめの作品です。
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