(俺の)栗山千明が帰ってきた!笑
八犬伝といえば自分の中では深作欣二の『里見八犬伝』が印象強くて、ラスボスである玉梓こと夏木マリの妖艶さとオドロオドロしさが特に強烈でした。。…この玉梓を、あの栗山千明が演ずることになるとは!ナイスキャスティング!👍
かつて『キル・ビル』や『妖怪大戦争』で魅せた″超危険なビューティー姉さん″像を今回ひっさびさに拝むことができ大変満足!あれで40歳なのか…めっちゃ美しかった。
が、しかし…最後の方で″ある姿″に変わるのですが、これは大変残念でした!(あんなことしなくても千明の姿のままで十分怖いしラスボス感もあるでしょうに!泣)
千明の感想はこれぐらいにしといて、、本作は正直とても長く感じてしまいました。滝沢馬琴パートと八犬伝パートの2つが交互に語られるというのが本作の特徴ですが、なんせ馬琴パートがビックリするぐらいテンポが悪く、一方の八犬伝パートは曽利文彦お得意のVFXも爆発してスピード感もあるため、馬琴パートはスローモーションぐらいゆーっくりに見えてしまいました。。役所広司に気を遣ってるのか分かりませんが、マッタリしたロングショットが多い。。そういえば、これは録音の問題だと思うのですが、役所広司が土砂降りの中で心情を吐露するところがめちゃくちゃ声こもってて何言ってるのか聞き取れんかったやないか!寺島しのぶとか芸達者なベテラン出てるのにもったいない。
馬琴パートのスローモーション以上に残念だったのが、2つのパートが本当に″交互に映し出されるだけ″というところ。てっきり2つのパートが混ざりあっていくと思っていたのですが、各パートがぶつ切られてはまた続きから再開する、これの繰り返し。虚構をもって現実に打ち勝とうとすることそれ自体がテーマなのだから、もっと混ぜ混ぜしてめちゃくちゃにしても全然良かったのに。
今敏の『千年女優』で女優の回想の中に入り来んでいくように、八犬伝というフィクションに馬琴や北斎が入り来んで八犬士たちが激闘を繰り広げてるすぐそばでベラベラ言い合いするとか。虚構と現実は同等であることが感じられるような、そういう画がほしかった。
今までと違ったアプローチで八犬伝を作るその意気込みは良しですが、今回のはちょいと惜しかったかな。
役者はみんな素晴らしかった。八犬士も全員良かったですが登場がいくらなんでも唐突な犬士が何人かいたのがもったいない。鷲にさらわれたやつが後から急いで登場してきたのにはちょっと笑った。