昔、里見八犬伝という映画を見た覚えがあり、中学や高校の歴史の教科書に載っていたことぐらいしか記憶になかったです。
滝沢馬琴の人生をかけて書き綴った物語と家族の武家社会への復帰のためという目的や葛飾北斎とのライバルであり友である関係性など八犬伝の物語の本筋のパートとは別の視点での作者の葛藤や苦難も描かれているところが素敵でした。
若手の俳優たちが八犬士を演じ、呪いで災厄を里見家にもたらそうとする玉梓を退治する勧善懲悪な物語部分を進め、大人の俳優たちは馬琴を取り巻く家族の苦悩や物語を書き続ける原動力になった才能あるものとのぶつかり合いの時代の進みを分かれて演じていました。
好きなシーンは、北斎の馬琴との掛け合い、描いた絵に刺激を受ける馬琴との楽しい友の語らい合う時間が素敵でした。
もう一つは、東海道四谷怪談を作った歌舞伎狂言の作者鶴屋南北との舞台の奈落でのぶつかり合いですね。四谷怪談と同じ、暗闇の世界にいるような2人のシーンが印象的でした✨