ごい

憐れみの3章のごいのレビュー・感想・評価

憐れみの3章(2024年製作の映画)
4.1
ヨルゴス・ランティモス× エフティミス・フィリップだ、、、
相変わらず奇妙な居心地が悪いシーンが多々あって最高の味わい

トニー・マクナマラ脚本による‘哀れなるものたち’‘女王陛下のお気に入り’と比べるとかなり抽象度が高いので、初めてだと面食らうこと間違いなし。
とはいえ、‘籠の中の乙女‘や‘聖なる鹿殺し‘、‘ロブスター’と比べると豪華なキャスティングになったからかカジュアルさも感じるため、比較的観やすい作品だと思う。(比較的…)

物語は、同キャストによる50分程度の短編3章構成

第1話 R.M.F. の死
└上司に人生の選択全てをコントロールされる話

第2話 R.M.F. は飛ぶ
└遭難から帰ってきた妻への猜疑心がエスカレートする話

第3話 R.M.F. サンドイッチを食べる
└不思議な力を持つ女性を探すカルト信者の話

まず客電点灯後の第一印象は「何じゃこりゃ、、、」
でもストーリーは妙に脳内で反芻され、3つの物語の要素が統合されていく感覚があった。どのキャラクターもどこか変な感じで、他人や家族そして自分自身を支配し、逆に支配もされている私たちを相変わらずの謎の空気感で皮肉ってくるストーリーだった。
難しく考えることもできるし、軽くブラックな笑いを楽しむこともできる。何なら結局どう観ても最終的に得られる示唆は同じかもしれないとも感じる。

どうやらアルベール・カミュの戯曲カリギュラ(暴君による支配と支配される人々を描いたもの)がモチーフになっているとのこと
ただ本作が「支配」や「服従」についての作品であることは、オープニングのSweet Dreamsの歌詞が示唆してくれるし、むしろあまりにもそのまんま過ぎて面白い。



あと、監督曰く、RMFには何の意味もないんだとか、、、ほんとか?
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