レイフファインズしか予め把握してなかったけど、スタンリートゥッチにジョンリスゴーて…俺の好きなおじさん大集合…最高かよ。
想像してたのとは違って、分かりやすく面白い娯楽作。それでいてルックは洗練されているので、こういうの観る人が増えたらいいんじゃないかなと思った。特別ウィキッドみたいに宣伝が展開されてるわけでもないのに、公開2週目にして1日7回も上映があって自分が観た夜の回は満席だった（なぜ？と思ってしまうくらい）ので、割と成功してるのかも。
物語的にも主題的にもある種のどんでん返しが用意されている。ただ面白いだけじゃなくて、映画を観ている自分自身の歪みを突きつけられる、必然性のある結末。2時間の傍観の末に、八手先を読んだ教皇に背中から刺されるような感覚。
すべてわかりやすいので逆に言えばアナロジーや含蓄はない。
ローレンスの態度が結果的に完全に正とされてしまっているのだけ若干引っかかったかなあ。そこをリベラルの潔癖主義批判としてもうひと段階深く描けてたらもっとよかった。
シネスコを活かした、画面の隅に映り込む奥の被写体を使った演出も多くて楽しい。
来月イタリア旅行で当然バチカンにも行くので、本物のシスティーナ礼拝堂と見比べてやろうという気持ちで観た。しかしまあすごいクオリティの美術で、どこまでがセットなのかわからん。さすがにロケの部分も少なくないんかな？
