木野エルゴ

教皇選挙の木野エルゴのネタバレレビュー・内容・結末

教皇選挙(2024年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

前教皇の逝去に伴い、教皇選挙(コンクラーベ)が執り行われることになった。コンクラーベの全てを仕切ることになった主席枢機卿のローレンス(レイフ・ファインズ)は突然の重責に動揺しつつも、前教皇の意思を尊重して責務を全うしようと尽くす。しかし、リストにない枢機卿の存在や陰謀、スキャンダルなど、ローレンスが預かり知らぬ不測の事態が次々と発生し、選挙は難航する…



『ローマ法王の休日』『2人のローマ教皇』をすでに見ていたので、コンクラーベの仕組みは知っていた。

閉鎖された建物で繰り広げられる選挙活動。リベラルと保守のわかりやすい対立、それぞれが抱えている秘密と野心、先代教皇が残した謎。コンクラーベという地味な題材を上手く娯楽に昇華した作品だと思う。脚本が良いなぁと思ったら『裏切りのサーカス』のピーター・ストローハンだった。緩急の付け方が上手いわけだ。

映像、音楽、役者どれをとっても質が高く、途中で中弛みすることなく最後まで見られた。

しかし、ひたすら困ってるだけで絵になるレイフ・ファインズ。さすがである。

ラストのネタバレだが、そもそも個人的にはカトリック自体が時代遅れの社会維持システムだと思っているので、インターセックスの枢機卿が教皇になるくらいでガタガタ言うなよと思わなくもなかった。
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