【天国から地獄へ――これは、1人の娼婦が幸せを追い求める物語】
ファーストデーということでなにか見ようと思ってたけどなかなか見たい作品が見つからず、ISOさんのXでオススメされてたので、せっかくだしたまにはと事前情報なしで鑑賞。いやぁ、ぶっ飛んでた。でもこのぶっ飛び加減がカンヌ国際映画祭で賞を取れる理由にもなっているというか。これは18禁ですわ笑
ストリップダンサーとして働いていたアニーことアノーラ。ある日、お店に訪れた御曹司・イヴァンと出会い、彼の専属彼女になったことで、しまいにはイヴァンと婚約することに。「私は億万長者!」――そう思っていたアノーラはまだイヴァンが抱える秘密を知らない。その秘密が明らかになった時、アノーラの転落劇が始まる、というストーリー。
ストリップダンサー=娼婦を主人公にしているだけあって、エロシーンはかなり多め。18禁に納得しつつ、よくこのキャストを見つけられたなぁと思ってしまった。マイキー・マディソンが演じるアノーラを見ていると、洋画で娼婦を描くとなんでこんなに綺麗でチャーミングに描けるのかなと、ふと疑問もよぎるほどに、彼女の演技が良かった。
残り僅かな自由な時間を散財して楽しみたい御曹司と、そんな彼に見初められたと舞い上がる娼婦が性にお盛んになったりとやりたい放題に人生を謳歌する前半とは対照的に、イヴァンに隠された秘密が明らかになってから、どん底へ向かっていく加速感を兼ね備えた後半、2時間半弱あったけどあっという間で面白かった。
話の構成や流れは他の誰かも考えたことがありそうなんだけど、イヴァンに裏切られたことを受け入れられずにやさぐれたアノーラはコミカルでめちゃくちゃ面白い。マザーフ〇ッカーって言い過ぎてて、映画館内で笑いも起こってた。こういう映画で笑いが起こるってなかなかないから新鮮だった。
言い方が悪いかもしれないけど、栄光の絶頂からどん底に落ちる人間の話は面白い。落ちた後にどう這い上がるかが見どころだから。でも、アノーラを見ていると幸せってなんなんだろうと考えさせられるね。