このレビューはネタバレを含みます
何が夢の中で何が現実かなどは、どうでも良くなるほど魅力的な世界。
欲望も、嫉妬も、残酷さも、友情も、愛情も、全てごちゃ混ぜの頭の中。
映画という空間だからこそ生み出せる自由で幻想的で滑稽で人間味溢れ、残酷で美しい世界にどっぷり浸かり、あっという間の鑑賞だった。
ラストの福子の視線、表情。
消えてしまったものに変わる何か。
それを捨て去ること、忘れ去ること。
その一方で、お守りとペンを離さずに、何個ものレイヤーでずっと夢にみる義男。しかし、離したくなくても泥んこの田んぼの中で全てが夢からも消えていってしまう。
とにかく成田凌、中村映里子、森田剛の主演3人が素晴らしかった。
台湾ロケの世界観も抜群。
幻想的な照明が印象的な福子の部屋や、喫茶店のシーン。
幻想的な浴槽でのシーン。
山に囲まれたベッドでのシーン。
戦場のシーン。
そんな中でいちばん自然体な太陽の光の下で、福子が洗濯物を干しているシーンがグッとくる。