このレビューはネタバレを含みます
クローネンバーグの「実験」
2010年2月20日 17時54分レビュー
1969年作品、製作編集撮影脚本監督デヴィッドクローネンバーグ。
クローネンバーグが26才の作品。
ある建物にある男がやってくる。
実験をするために来たようだ。
建物の中では不思議な実験が不可解なナレーションと共に展開する。
そんな物語。台詞無し、全て解説風ナレーションと複数の若者のふるまい。
だだっ広い建物。
クローネンバーグのカナダ時代の処女作。
生物学を学んでいたクローネンバーグ。
一見、学生映画のようなゴダール映画風なんですが、処女作にして以後のテーマ的な表現がチラリと顔を見せていたのが面白かった。
セックス、テレパシー、二人男一人女、暴力、薬、過剰性行、突然変異等々。
以後彼の作品で表現されるテーマがチロッとでてきます。
話しとしては全く訳わからないの一言。
クローネンバーグファンの方は是非ビデオ(ソニービデオさんのレア物)でご確認を!
体の模型みたいなのを愛撫するシーン(模型の胃のあたりを男が、手で背面から愛撫)があるんですが、
そ れこそクローネンバーグがずーっと追い求めてる彼の創作姿勢のような気がしました。
クローネンバーグのはじめの実験、ファーストエクスペリメント。
それは意味不明で全く訳わからないですが、テーマがチラチラ現れた意思表明のような映画でございました。
クローネンバーグはやはり、おかしい!けど、素晴らしいテラーだ!