ヘソの曲り角

私にふさわしいホテルのヘソの曲り角のレビュー・感想・評価

私にふさわしいホテル(2024年製作の映画)
4.0
「逍遥、四迷に鴎外、露伴
国木田、荷風に漱石、藤村
花袋、白秋、潤一郎
芥龍(芥川龍之介)、川端、太宰に安吾
三島、遠藤、大江に司馬で……」
(文豪コール抜粋)

「早乙女カナコの場合は」でこの映画ののんが出てきたので観た。原作が同じ。柚木麻子マルチバース。堤幸彦作品はじめまして。最初はドラマっぽい軽さがキツかったが慣れてくると気にならなくなった。のん、滝藤賢一、田中圭の三人がメインなのだが滝藤の女性蔑視感が強調されずむしろよくある勘違い耽美派エロオヤジでしかなく、逆に田中圭が途中お得意のロリコンキャラを披露してきてそっちの方が露骨にキモかった。とはいえ滝藤の方ものんをミューズ化してるキモさがある。その辺の男のしょうもなさを利用しながらのらりくらりと文壇で頭角を現していくさまを軽妙なコメディに仕上げていてエンターテイメントとして面白かった。男から見たらファムファタールなんだろうが、そうではなくノワールのノの字もない軽さでのんを主役にして描いているのがいい。のんと滝藤が休戦して田中圭にちょっかい出すところが一番盛り上がる。柚木麻子原作ものを続けて観たが、こういう本来「敵」同士の思わぬ組み合わせが馬が合うというシーンが作家性としてあるのかもなぁと思った。それはそれとして、やっぱりのんが一番ノッてるのが橋本愛とのシーンだった気がする。端役だが髙石あかりが出ていた。さすが。