MasaichiYaguchi

ホビット 決戦のゆくえのMasaichiYaguchiのレビュー・感想・評価

ホビット 決戦のゆくえ(2014年製作の映画)
3.9
「ホビット」三部作の完結編では、原題“The Battle of the Five Armies”(五軍の合戦)が中心に描かれる。
ドワーフ、エルフ、人間、そしてオークの大軍勢との間で繰り広げられる死闘はスケール大きく、ド迫力で展開する。
「ロード・オブ・ザ・リング」で展開されたものを凌ぐ合戦シーンでワクワク、ドキドキしてしまうが、この作品の魅力は戦いのスペクタクルだけではない。
主人公ビルボ・バギンズ、そして邪竜スマウグに奪われた故郷エレボールを取り戻そうと奮闘するドワーフの長トーリン・オーケンシールド、この二人を中心とした人々の冒険の旅を通しての出会いや、困難に立ち向かう姿を描く人間ドラマにも魅せられる。
ホビット庄という平穏だが変化のない環境でそれまで生きてきたビルボは、この旅でドワーフたちや自分の身を守る為に剣をとって戦うようになるし、トーリンも流浪の身から状況が変わるごとに人柄も変化していく。
旅を通し、そして戦いで得ようとするもので本当に価値のあるもの、大事なものは何なのか。
金、銀、宝石等の財宝、栄誉や地位、そして権力、人が欲するものは限りがないけれど、終盤でビルボが呟いた一言「僕の大事な…」が意味するもの、彼が言いたかったその先の言葉にそれが込められていると思う。
「ホビット」三部作と「ロード・オブ・ザ・リング」三部作で大きな物語の輪が完成した。
これらを一気に鑑賞しようとしたら丸一日掛かる思うが、いつかやってみたい!