パケ猫パケたん

正体のパケ猫パケたんのレビュー・感想・評価

正体(2024年製作の映画)
4.1

終盤、ゾクゾクした


『正体』 (2024)
  🇯🇵日本 120分


●スタッフ

監督・脚本
藤井道人

脚本
小寺和久

原作
染井為人(小説『正体』、未読です😿)

撮影
川上智之

照明
上野甲子朗

音楽
大間々昴


●キャスト

横浜流星
(鏑木)

吉岡里帆
(安藤)

森本慎太郎
(野々村)

山田杏奈
(酒井)

山中崇
(足利)

原日出子
(井尾)

松重豊
(川田)

山田孝之
(又貫刑事)


●🐱レビュー

『新聞記者』(2019)の、社会派、藤井道人監督作品

社会派と書いたが、エンタメ系に於いても、『新聞記者』の頃よりも、滅法、巧くなっている、現在、日本屈指であろう

例を挙げれば、事件関係の捜査に入る、又貫刑事(山田孝之)、殺害現場や魚市場、カメラは現在及び過去に、パンニングをしながら縦横無尽に、描写して行く
それは、極めてエキサイティングであり、映画ならではの醍醐味であった

ファースト・シーン直ぐ、犯人❓とおぼしき、鏑木(横浜流星)を巡る知人たちの横顔のカットバッグ、野々村(森本慎太郎)、安藤(吉岡里帆)、酒井(山田杏奈)、伊尾(原日出子)、それら横顔の羅列も興味を引き立てる演出で、特徴的であり、その演出の意図は、終盤に明らかになる

この映画のひとつの中心は、森本慎太郎であろう、建設現場で日雇いで働いている男
現場でケガをして、労災保険も無いとは、最下層の悲哀だよなぁ
是枝裕和の『万引き家族』(2018)にもある状況であり、本当にあるのかとビックリで泣く

だから、後日、労災保険などの資格試験(おそらく社労士)の勉強を始める、森本慎太郎の一瞬のカットは、感動的で、社会派たる所以(ゆえん)

さて、逃走犯、鏑木(横浜流星)は男前であると同時に、切れ者
捜査の上を行き、職場を転々として、風体も見事に変貌している、七変化といって良い
この男前が変身するので(歌舞伎の早替りかよ)、女性にとっては、この辺り、エンタメだろう😻
しかし、横浜流星は、かなりの切れ者なのに、自らを弁明出来なかった所は、不自然だと感じたな

安藤(吉岡里帆)、登場
吉岡里帆たん👩✨は、毎度、可愛すぎる❗、エンタメやん😻😻
犯罪サスペンスなのに、吉岡里帆の配役は甘口🍰に成りすぎると、やや違和感
ただし、この配役もラストへの伏線
美男美女が、幾日も同じ宿(マンション)で生活をして、プラトニック・ラブとは何ごとじゃん、清純な顔の吉岡里帆であっても、不自然と感じた次第part2

不自然part3は、十人近いの刑事がマンションに張っていたのに、横浜流星がベランダから逃走させてしまうとは、何ごとじゃん
何のために、ベランダの下に張っていただろう、無能過ぎる警察👮🚨w

なので、役者・監督・撮影と揃っているのに、脚本(そして、多分、原作も)があざといので、乗り切れなかった

ただし、ラスト近くの、刑務所に於ける、横浜流星と吉岡里帆の面会の場面は、痺れて来た

日本映画📽️に於いて、面会の場面が印象的な作品は多く、古くは、黒澤明の
『天国と地獄』(1963)、最近では、是枝裕和の『三度目の殺人』(2017)、白石和彌の『死刑に至る病』(2022)など、枚挙にいとまがない

この映画📽️では、横浜流星の正面の顔に、ガラス超しに、大きな吉岡里帆の顔が映りこんでいる

彼を信じて、美しく笑う吉岡里帆は、まるで天使であり、観音菩薩の如く、後光が射しているかのようなのだ👩✨
吉岡里帆でしか出来ない表現

だから、冒頭の横顔の連続の描写は、この二人の正面の顔の伏線であり、あからさまになる事で、感動した

その手があったのか❗と、これは、「愛」の映画であった

同時に、警察の官僚である川田(松重豊)が余りにも、冷酷、刑事の又貫(山田孝之)も実直そうでいて、川田の操り人形に過ぎないので、日本の官僚組織を暴いている、実に「社会派」

熱く「愛」を、冷たく「日本社会」を描いているので、巧みに、藤井道人監督の作家性に落とし込んでいて、唸ってしまった🎵



TOHOシネマズららぽーと福岡
スクリーン4

2024ー107ー88



●シネマお遍路2(パケたん)始めました❗

聖地枠(何度でもカウント)
・KBCシネマ(福岡市)
・kinocinema天神(福岡市)
・小倉昭和館(北九州市)
・中洲大洋(福岡市、再建設予定🎵)

聖地枠以外は、1スクリーンで1回のみ、
カウント

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