パケ猫パケたん

ブルータリストのパケ猫パケたんのレビュー・感想・評価

ブルータリスト(2024年製作の映画)
3.0

打ちっぱなしの作品かな~


『ブルータリスト』 (2024)
🇺🇸USA 🇬🇧UK 🇭🇺ハンガリー 215分


●スタッフ

監督・脚本
ブラディ・コーベット

脚本
モナ・ファストヴォールド

撮影
ロル・クローリー

美術
ジュディ・ベッカー

音楽
ダニエル・ブルームバーグ

【オリジナル脚本作品】


●キャスト

エイドリアン・ブロディ
(ラースロー・トート)

フェリシティ・ジョーンズ
(妻、エルジェーベト・トート)

ラフィ・キャシディ
(姪、ジョーフィア)

ガイ・ピアース
(富豪ハリソン・ヴァン・ビューレン)

ジョー・アルウィン
(ハリー・ヴァン・ビューレン)

ステイシー・マーティン
(マギー・ヴァン・ビューレン)


●レビュー

第二次世界大戦下のホロコーストから、
アメリカに渡った、ハンガリー系ユダヤ人建築家、ラースロー・トート(架空の人物)の30年に渡る数奇な半生が、描かれている

『ブルータリスト』とは、「ブルータリズム」の建築家のこと

「ブルータリズム」は、1950年代から、流行り始めた、塗装や化粧板は使わない、打ちっぱなしのコンクリートによる、彫塑的な、荒々しい建築様式のこと
現代での建築でも、使われている

この映画の主人公である、ラースロー・トートのモデルは、存在している

マルセル・ブロイヤーがそれであり、
ハンガリー系ユダヤ人、母国ハンガリー、そして、アメリカに渡り活躍
ドイツのバウハウスに学ぶ
ここまでは、ラースロー・トートと同じであり、ホロコーストの経験は、マルセル・ブロイヤーにはない

さて、映画評に入ります

斜めのスタイリッシュなタイトル、そして、一人称キャメラで、暗い穴蔵(ホロコーストと船旅のメタファー)から、自由の女神🗽を仰ぎ見るカットには、斬新で度肝を抜かれた、都会的なジャズ🎷もドライで合う

ラースローは、ニューヨークで兄夫婦の世話になり、同居をする

ラースロー(エイドリアン・ブロディ)は、男前で男盛りなので、いかがわしい場所で女を買う、まぁ、それは、許せる範疇

しかし、ラースローは兄と仲が良すぎて、キモく、更に、兄夫婦と同衾に近い状態の描写があったので、退いてしまうわ、オレ

その性的な描写には、ラースローの建築の芸術性とは関係がないと思うし、過激な性の匂わせが、監督ブラディ・コーベットの演出力の不足を誤魔化している、感じがした

215分の長尺である

観ていて、ラースローの繊細で不屈な性格は、分かった、しかし、
妻エルジェーベド(フェリシティ・ジョーンズ)や、富豪ハリソン(ガイ・ピアース)の性格描写が乏しく、人間的魅力と、何を考えているのかが分からなくて、大いに不満を感じた

例えば、ロバート・アルトマン監督なら、難なく数十名のキャラクターも的確に、描き分けることが出来るわけだし、
狂ったアメリカの富豪なら、ポール・トーマス・アンダーソンが恐ろしく、かつ、魅惑的に描ききる、ことが出来るのだから
長尺の割には、中身がスカスカだった
印象で、、一流なのかな、この監督さん、マジで疑問

打ちっぱなしのコンクリート、「ブルータリズム」を扱った映画だからなのか、その演出は、説明不足が甚だしいと思う

しかも、モデルとなったマルセル・ブロイヤーの人生から、大きく継ぎ足した脚本が、悉く外している感じで、悲惨に見えた
この映画は、有機的な構造物に足り得ていない

具体的には

・骨粗鬆症の妻と、激しいエッチをして
 、妻の症状が悪化したわけ、ラースロ 
 ーさぁ、アタマ悪くない❓

・富豪がいつも、酔っぱらって赤い顔を
 していて、酷い、単調な演出
 役者も疑問を感じるレベルだろ、普通

・しかも、富豪がやった行為が安直で
 気持ちが悪すぎる

・足場を弄ぶ職人は、危険なので、ラー  
 スローが叱り飛ばして当然
 妻が、どうのこうの言うのが、
 逆におかしい、ブルーカラー観客
 への配慮

・ユダヤ教徒であるラースローが、
 どうして、ユダヤ教では禁止されて
 いる十字架の、その光を、強調したの
 か、全くの説明不足
 安藤忠雄の「光の教会」が
 混じってなくない❓ww

・ラストの老いたラースローの表情も、
 何かしらの意図や意思を、表現して
 欲しかった 
全くの無表情だったので、描写をする  
 必要性がない
 ラストシーンなのにw

等々、それぞれのシーケンスが、思わせ振りな性行為で終わり、投げっぱなし

深読みしたいけれども、長尺で、内容が薄そう、気持ちも悪いので、その価値もなさそう

🇺🇸アメリカと🇬🇧イギリスが、組んで、
🇮🇱イスラエル移住を、正当化し過ぎる
点も政治的かな~ キモいよ


伝統ある、アカデミー賞作品賞は、獲らないで🙅‍♂️🆖⤵️


って、正直、思いました🐱
 

TOHOシネマズ福津
スクリーン9


2025ー26ー18