このレビューはネタバレを含みます
とても不思議な感覚になる映画だった。
前半の内容に囚われると後半が全く紐付けられず、ぐるぐると思考してしまった。
本作は2部で構成されており、前半は理想的な夢/妄想の世界、後半は現実の世界という話らしい。
後半に入ってすぐは、前半が作られた物語(映画作品)で後半がその映画の裏側やクランクアップを描いてると感じたのだが、それだとどうしても色んなことの辻褄が合わない気がした。
例えば、前半のダイアンの自宅での死体が見つかることや、後半に入って2人の探偵が訪ねてきたと隣人から告げられることがこれに当たる。
そこを加味すると、現実世界のダイアン(ベティ)が死んだ後に描いた妄想世界という捉え方の方がしっくりくる。
ダイアン(ベティ)は、生前の記憶で色んなものをツギハギにしながら、愛するカミーラ(リタ)との愛を育むための物語を作り出すが、結局は青い箱を開けることで現実の世界の話に繋がってしまうという流れのようだ。
様々点に伏線や、細かい表現がなされており、一回の視聴で完全に楽しむことの難しい作品だが、とても自分好みで楽しむことが出来た。