このレビューはネタバレを含みます
めちゃくちゃ良かった。
統合失調症をテーマにした表現が難しい作品だと思うが、病気自体の辛さや世の中への理解のされなさ、本人自身にしか分からないことをうまく映像に落とし込んでいると感じた。
アダム自身が薬による治療で一時は症状が良くなったり、副作用で味覚障害が起きて夢のために薬を飲むのを辞めたり、全員が敵に見えたり。
不安や孤独によって周囲を傷つけてしまうシーンが統合失調症じゃなくても、メンタルがやられたり、辛い状況にある時は誰しもが感じることのように思えてすごく苦しくなった。
母の再婚相手のポールが実はとても理解のある人だとわかるシーンは、思わず涙が出てしまいました。
最後も愛と本音によって病気が治るというような完全なるハッピーエンドにするのではなく、周りに支えられることで上手くやれるようになっているという落とし所も良かったです。
きっと本当に病気を抱えてる方はもっともっと辛いと思うけど、少しでもこの映画を観る人が増えて、世界が優しい方向へ進んだら良いなと思ったし、自分も人に優しくありたいと感じる、そんな作品だった。