ひろゆき

パパママ卒業のひろゆきのレビュー・感想・評価

パパママ卒業(2024年製作の映画)
3.8
銀幕短評(#766)

「パパママ卒業」
2024年、日本。44分。

総合評価 75点。

じぶんの親をどう呼称するかのはなし。埼玉大学の映研のおとこの子が撮りました。かれは幼少期から 親を「パパ、ママ」と呼びならわしており、そこから脱却できないことを つねづね ふがいないと思っている。

全体をコミカルにうまく作りこんでいますが(編集と音楽が とてもすてきです)、これはなかなか含蓄のあるテーマですね。わたしが自身を振り返ると、「おとうちゃん、おかあちゃん」からスタートし「おとうさん、おかあさん」にステップアップするときが なかなかハードルがたかく(中学に入るくらいだったでしょうか)、いまでは「父さん、母さん」と呼んでいます。これだと なんだか対等な気がするでしょう?

ちなみに わたしの長男はわたしを「おとうさん」と呼びますが、次男はこの映画にでてくるように いまだに「パパ、パパ」と呼びます。これは妻がかれを意図的にしつけたためで、わたしは本人の将来のために ずいぶん前にパパ呼びをやめさせようとしたのですが、彼女はそれを かたくなに許さなかった。「長男はあなたが かってに呼び方を変えてしまって、わたしは心底がっかりした。次男については わたしが好きなように べたべたにかわいがって甘やかして ママっ子に育てる。」と既定事項のようにいい放ちました。こういう通告に対して、わたしには いつもなすすべがありません。ごめんよ次男と、いまでもこころの中で手を合わせています。まあ、衆目のまえではさすがに「おとうさん、おかあさん」と とり繕っていますが。

これと並んで(鏡のように)、親に対して 配偶者に対して あるいは子に対して、じぶんをどう呼称するか?という問題もありますね。わたしは「ボク」でほぼ一貫していますが、気になる女性のまえではたいてい「わたし」と威勢を張ります。妻を○○子と呼び捨てにし(うしろめたいことがあるときは、ちゃんづけし)、彼女はわたしを「パパ」と呼びます。まあそとでは、ひろゆきさん、とわたしの面子(めんつ)を立ててくれるのですが。

もうひとつひっかかっているのは、息子たちに 面と向かって名前以外で呼ぶことが必要なときに どう呼ぶかというところです。むかしから かれらを「おまえ」呼ばわりして暴君をはばかりませんでしたが、さすがに大人に育ったいま、「あなた」かなにかを使うべきだと自覚しながら まだ下の名をフルネームで呼ぶなど ぐずぐずし、ややハードルを感じている成長時期です、わたしも。

しかし、さいきん気づきましたが、子が親を「ちち、はは」と呼び、親も子に対してじぶんたちのことを そのまま「ちち、はは」と呼ぶ家庭も多いですね。なにかドラマなどのマネでしょうか? ちょっと違和感をおぼえるのですが。いったい どれがかっこいいスタイルなのかな?
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