やむちゃ

ミッシング・チャイルド・ビデオテープのやむちゃのネタバレレビュー・内容・結末

3.6

このレビューはネタバレを含みます

備忘録
2025.2.5 シアタス心斎橋で鑑賞。
背筋氏の「未必の故意」という短編小説を特典にもらった。

杉田雷麟主演、近藤亮太監督のホラー作品。共演は平井亜門、森田想など。

13年前に幼い弟が失踪してしまった主人公敬太のもとに、母親から当時のビデオテープが送られてきたことから、同居人の司(敬太の関係性は友人なのか同性カップルなのかはっきり描かれない)、新聞記者の久住も含めて怪異に巻き込まれて行くお話。

第2回日本ホラー映画大賞で大賞を受賞した短編を膨らませたお話らしい。ちょうど一年前に同様のふれ込みで公開された「みなに幸あれ」で(ちょっと)痛い目を見たので、世間の高評価にも期待を上げすぎないようにして鑑賞した。
それが功を奏したのか、満点とはいかないが、割と良い作品だった。

安易なジャンプスケアがほぼ無かったのも好印象。湿度の高いジメジメした雰囲気でややスローにお話が進んでいく。
あまりに何も起こらなさすぎるので、中盤やや中弛みを感じ、睡魔に襲われそうになったw(なんとか堪えた)

後半、実家に帰り、山に入る頃から盛り上がり始め、宿の息子の告白辺りまでが不気味さのピーク。
その後の廃墟も良いのだが、直接的な描写が多くなってしまい、それまでの雰囲気重視に比べると、ややトーンダウンしたように感じた。

また藤井隆演じる編集長、名前は存じ上げないがよく見かける無精髭の刑事役の役者さんなど、もっと謎に絡んでくるのかと思ったが、思わせぶりなままで終わってしまったのは残念。

作風としては、小説「残穢」辺りから流行りになった″土地の穢れ″に、「近畿地方のある場所について」の得体の知れない不気味さ、さらに土着信仰か新興宗教ものを組み合わせたような印象を受けた。

司が敬太自宅前で電話している時に二階の窓に人影が…というシーンは「呪怨」っぽい演出だなと思ったら、プロデューサーが清水崇だった。

結末について何も語られないまま終わるが、あの山はいらないものを捨てる場所だから、敬太にとっては弟も司も…って事かなぁ?

そもそも両親はなぜあの山で兄弟を遊ばせたんだろう?山の謂れを知っていて遊ばせたとしたら…
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