エンポリオ

ファーゴのエンポリオのネタバレレビュー・内容・結末

ファーゴ(1996年製作の映画)
2.5

このレビューはネタバレを含みます

虚構から離れ事実を描いた映画。
ある田舎町で実際に起こった連続殺人事件に若干の脚色を加えた作品。おおむねノンフィクションの風体であることを十分に把握した上で鑑賞するべきだと感じた。同様の匂いがする作品に求める物語性はこの作品には意図的に宿されていない。
各人物に関するエピソードが広がっていかないため、確固たる主役の座を担う人物が判然としないままで物語は幕開けからエンドロールまでを迎える。事件の中心人物である自動車ディーラーのジェリーに多額のお金が入り用だった理由が明かされていればよりすっきりと観終えることが出来たろうと感じた。
他の映画では確実に拾うであろう伏線の要素も拾わないのはこの作品が深く事実に基づいた物語であるからであり、それもこの作品を成している一つの側面ではある。実話を写し出しているという丁寧な注意書きがあったからこそ終盤のシーンは現実の世界でいとも簡単に行われる残忍な行為が想像できたために緊張感を持って観ることが出来た。
レビューを書き終わり投稿しこの事件について調べようとしたところで初めてこれがノンフィクションを装ったフィクションだったということを知った。完全に一杯食わされたわけだ。
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