イチロヲ

激突!格闘技 四角いジャングルのイチロヲのレビュー・感想・評価

3.5
70年代末期の格闘技ブームを題材に扱っている、ドキュメンタリー第2弾。梶原一騎原作の同名少年漫画をベースにしている。

本作は、プロモーター活動を開始した梶原一騎氏が、まるで漫画のような興行を打つようになってから製作されたもの。つまり、原作漫画と現実世界の「虚実の被膜」に面白味が集約されている。

本編内では、プロレス、空手、ムエタイ、マーシャルアーツといった、スタイルの異なる種目を順番に紹介。各種目の格闘テクニックを掘り下げながら、競技者としての「闘いの美学」を説いていく。

全体的に、ムエタイの最強王者に挑戦する藤原敏男の物語がメインとなっており、当時のムエタイ興行を虚飾なしに収めている記録映画という印象が強い。「見世物としての格闘技興行」「見世物としての映画興行」という多重構造も興味深い。
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