捕えられた伍長 4Kレストアのたむのレビュー・感想・評価

もう一つの『大いなる幻影』ともいうべきジャン・ルノワール監督最後の作品です。
第二次世界大戦の捕虜が脱走をする姿を描きます。
『大脱走』のような大仕掛けではないものの、何度失敗しても諦めない意志の強さや自由への渇望がテーマとして挙げられます。
『大いなる幻影』の時のような皮肉な展開よりも、ユーモアもあり、厭世的になりすぎない作風となっています。
戦争の残酷さをところどころに描き、人間性の中に希望を見出そうとする。
ユーモアは大事ですが、ニヒリズムに陥らず、友情と自由に託す傑作ですね。