東京国際映画祭2024、コンペティション部門にて。
2018年のTIFFで「世界の優しき無関心」が、2020年のフィルメックスで「イエローキャット」が上映された、カザフスタンのアディルハン・イェルジャノフ監督の新作です。
結構正面からホラーでした。
以前観た「世界の優しき無関心」は静かな映画だった記憶でしたし、コンペ部門の作品でここまでホラー要素が強いのは意外でしたが、カッチリとした作品が多い映画祭シーズンにおいて、いいアクセントになったなと思います。
【作品解説(TIFF公式HPより)】
『イエローキャット』(20)などで知られる、カザフスタンの俊英監督アディルハン・イェルジャノフの最新作。
シングルマザーのアリーナは息子のセリックをエリート士官学校に入学させようとするが、女の子のような風貌のセリックは生徒たちにいじめを受け、校長からも学校に不適格と判断される。アリーナはセリックの父親が軍隊の高官であるというコネを使ってセリックを復学させることに成功するが、自分の子どもがこの学校で自殺したという女性から、セリックは自分の子どもと同じ道をたどるだろう、と警告を受ける…。
軍隊組織に内在する暴力や腐敗をホラー映画的な要素を加えて描いた作品。明るさをおさえた撮影と不穏な音響が絶妙な効果を上げている。