このドキュメンタリー作品では、プロの別れさせ屋の介在を通して、ある中年夫婦と若い女性の三角関係があらゆる角度から精査される。この「愛人払い」ビジネスは、夫婦カウンセリングの一種のバリエーションであり、妻が夫を不倫関係から引き離すために密かに恋愛の第一人者を雇って潜入させるというものだ。本作が三角関係の 3 つの角のすべてに驚くほど接近できているのは、この作品の主要登場人物である愛人払いのWang Zhenxi、通称ワン先生の手腕によるところだという。自分の顧客をカメラの前に立たせることができた愛人払いは彼女だけで、プレス資料によれば、残りの角の2つ、つまり夫とその不倫相手の若い女性に関しては、制作チームは当初は現代中国の愛についてのドキュメンタリーを作るという名目で彼らにアプローチしたとのことだ(撮影後に、改めて全員がこの作品への出演に同意した模様)。『ストレイ 犬が見た世界』で知られる香港系アメリカ人監督エリザベス・ローの長編2作目。ベネチア映画祭のオリゾンティ部門で上映され、アジア映画を対象としたNETPAC賞を受賞した。