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ブルースの魂 2Kレストア版のカーネルのレビュー・感想・評価

ブルースの魂 2Kレストア版(1973年製作の映画)
3.6
B.B.キング生誕100周年記念公開
1973年の映画が制作から50年以上経て日本初公開です。

JAZZは好きです
詳しくはないですけど。
ブルースも好きです
でもブルースと言って思い出すのが
憂歌団だったりします。
ファリー・ルイスのボトルネックの音を聴いて、〝きっと内田勘太郎も聴いてたんだろうな〜〟とか思ってました。

多勢のブルースのレジェンドたちの汗と熱気にすっかりあてられた。
知ってる名前はB.Bキングとルーズヴェルト・サイクスと何故かブッカ・ホワイト………そのくらいなんだけどw
だからこそ(?)面白かったなぁ。
そして勉強になった、ってより知識欲満たされ感ハンパないっす。



刑務農場でのハンマーワーク、荒地に積み上がる〝ストレンジフルーツ〟にも見えるスクラップカー。教会やライブ会場での演奏シーンに加えて、多くのブルースマン・ウーマンへのインタビューがメインのドキュメンタリーパート。
それと並行して描かれるハーレムの若いカップルのドラマパート。

ライブシーンはまぁカッコいいこと!!!
(B.Bキングのドレスシャツの着こなしにもつい目がいってしまう)
シワだらけの手も、歯が抜けた口にも見入ってしまう。
同時にちょっと愚痴っぽいインタビューも微笑ましく思えたり。

評判がよろしくないドラマパートもかなり気に入ってます。古今東西どこにでもいるんだよね、仕事探してるって言って働かない男と何だかんだと切れない女。
玄関の鍵を変えられて中に入れないヤツ。
そしてインタビューパートでも語られる、女に縋るような〝愛〟しかたをするジャズマンたち。
それが〝ブルース〟てことなんかな。
ブルースの多くが酒、金、女を歌ってる。それでも〝究極のブルースは愛する人に捨てられるってやつだ〟と言われてる。
せつないねぇ。
そして強かだ。だから惹かれる。






で、当然字幕で観たんですが
つくづく翻訳大変だったろうなと。
語りすぎないのが魅力の今作に苦労した、と字幕担当の福永詩乃さん。
その辺りはパンフレット購入をお勧めします。(多分¥900)
というのも字幕が全て掲載されているのです。ナレーションもインタビューもドラマも全部活字になってます。
シナリオ掲載みたいなもんです。
超お得です!



ブルースを支えるのは
強くて優しい女なのかもしれないな。
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