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Welcome Backのカーネルのレビュー・感想・評価

Welcome Back(2024年製作の映画)
3.8
2025年1本目!

ティザービジュアルに惹かれ、キャストを見てゾクっとし、公開待ってました!

結果、期待に充分応えてくれました!!

自分の強さを誇示するボクサーのテル(吉村界人)と彼に心酔し〝テルは負けない〟と信じて疑わないベン(三河悠冴)は同じ団地で育った兄弟みたいな二人。
そこにテルに負けた大卒ボクサー青山が絡んで、テルを倒したボクサー北澤にベンが〝復讐〟するために大阪に向かう、青山の車での3人旅。

ボクシング映画、とは言い切れないです。
テルとベンの関係性の歪さが興味深い。
共依存というのともちょっと違うような………ニコイチ(二個一)が突如細胞分裂し始める感じと言いましょうかね。
(似てると言われる『キッズリターン』の二人より濃い関係だと思う)
そこにわちゃわちゃしたロードムービー要素が強目に加わってきます。
殺伐としたものではなく、逆に暖か味すら感じられた映画でした。
あらすじしか情報入れなかった(予告くらい見ときゃよかったかな)ので、〝復讐〟から勝手にノワールを予想して構えてましたが的外れでしたw
(『日本統一』『TOKYO VICE』で凄みを効かせる菅田俊が猫背っぽく歩いて、そこそこ喋るのを見てノワール系じゃなさそうだと思った)

加えて、遠藤雄弥演じる青山から派生するヒューマンティックな流れが実に良い!
ほんと青山が良い人なんです〜 
再三の〝青山なんだけど………〟に笑わせてもらった〜www
彼はベンが心配なんだけど、それ以上にベンの記憶力とそれ故のテルを再現するようなボクシングパターンに興味が湧いちゃうんですね〜w
そこから3人で始めた、ベンの北澤への〝復讐〟のためのボクシングがこの映画の軸となります。
そう。
テルじゃなくてベンのボクシングが。


ボクシング指導・監修に松浦慎一郎(役者としても出演)がいる事からわかる通り、ボクシングシーンはリング上でも道路でも見応えあります!さすが!
信頼と実績の松浦印!
もちろん役者さんたちの凄さは言わずもがなですね。役者、すげぇ〜しっ!
ファイトシーンのカメラの使い方もちょっと普通じゃないかも?揺れるしズームしたり………手持ち?室内でドローンの接近戦?なんかよくわからないけど、臨場感に拍車がかかってると思います。

北澤役の宮田佳典はボクシング経験者。色んなボクシング映画に出てるようだけど、私の彼のイメージが『SUPER HAPPY FOREVER』の役名宮田のままだったので、あの髪色と眼つきにヤられてしまいましたw (かっちょいい!)

吉村界人、三河悠冴、遠藤雄弥はクランクインの一年前からトレーニングに入ったと。(結果三河悠冴はプロテストを受けるまでになり、吉村界人もテストを視野に入れてボクシング続けているようです)

ユニセックスな雰囲気を纏う役が多いイメージの三河悠冴は前から気になってました。黒沢清監督『cloud』と今作でイメージ一新です。
(本人も色んなオーディション受けて〝いじめられっ子〟イメージを払拭したいそうです)
三河悠冴のボクシングシーンは、いい意味で〝ちょっとイっちゃってる〟と思います。ゾクっ





劇中歌が!!!!!
鋭児「 $uper $onic」
(鋭児を使ってるなんてもうそれだけで合格ですやんw)

あと劇伴も良かったです。
川島監督といえば
安心安全の長尾洋輔氏
って事でしょうか


ひとつ思ったことに
ロードムービー部分でダレる事ね。
そこに大きなテーマがあるのはわかるけど、もう少しタイトにシャープに出来たのではないかと。
同じパターンの繰り返しに見えてしまった。
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