原作未読 購入済み
(NHKの100分de名著の筒井康隆特集で吉田大八監督が原作読んでなくて映画を観ても大丈夫って言ってた)
公式HPをチラリと見て今後の人生の参考になるかも、と思った。
収入と貯蓄と支出から計算する残りの人生
日常を丁寧に扱い丹念に過ごす。
遺言書も用意して、最後は自分で決める。
主人公の元教授は77歳。
演じる長塚京三がぱっとみ若いし、(後日、実際の長塚京三は79歳と知りました。たまげた!)着てるものもセンス良くジジくさくない。
PCもマックでワイヤレスのマウス。
洗濯機には乾燥機もあったし。
大学は退官したようだけれど仕事もある。
何かと世話してくれる元教え子(松尾諭)や少なからず何か思うところがある元教え子の(瀧内公美)との交流
バーで知り合った女学生(河合優実)への興味。
恵まれている男ではある。
だから『PLAN75』のような悲壮感はない。
それでも日々過ごすうちに色々と思うところは出てくるわけで。それが幻想というより夢想として現れ広がりを見せていく。
(夢精するんだから夢想で良いよな)
「敵がやってくる」
これは放っておけない。
モノクロ作品
白黒の世界はともすれば寂しげなイメージなのに、見始めると主人公の儀助(長塚京三)の生活に色がついてるような豊かさが伝わってきて、亡き妻との入浴シーンではお湯の色まで見えるようだった。
後半には動きが出てアクショナルになりモノクロだなんて忘れていた。
(銃傷から流れる血は紅く見えたし。ちなみにガンエフェクトに納富貴久男)
長塚京三の老いた肉体に生と性を見、
彼と共に〝敵〟を感じ、
他人事ではないと苦笑い。
そんな108分でした。
良い〝経験〟をさせていただいた!
そして自分の父の姿を思い出し、暗澹たる気持ちになったのも事実でした。 チッ
長塚京三は77歳の設定には若かったんじゃないかと思ってましたが、裸体を見たら妙に納得しちゃった。
黒沢あすか、瀧内公美、河合優実と三人それぞれの旨味が味わえますね。
(河合優実の使い方がちょっとパターン的になってるような。多作な俳優だから制作時期も関係するけど)
ラストに中島歩が出てきてニヤニヤ。
セリフはなかったけど、彼ならではの存在感。最後に締めてくれたと思います。
特筆はカトウシンスケ。
こういう〝普通の人〟の役は珍しいと思ってましたが、やはり彼が映えるような作りでした。あの〝不躾な〟行動はさすがだな〜wキャラの仕上げも最高だったw