海外出張の多い夫（浜口竜哉）をもち、欲求不満に苛まれている夫人（志麻いづみ）が、茶道の先生（宮下順子）が主催する秘密のお茶会に出席してしまう。新しい刺激に溺れていく過程を描いている、日活ロマンポルノ。
本作に登場する「お茶会」とは、他人との多種多様な性交渉を客人の前で披露する、いわゆる「白黒ショー」のこと。怪談調の格式張った演出に拘っており、溝口健二監督「雨月物語」を想起させるものがある。
主人公が鳴り止まない痴漢電話に悩まされる場面では、他作品同様に「なぜか電話線を抜かない問題」が発生。犯人が特定できそうなのに、肝心の夫が事態を真剣に受け止めてくれないところも、不自然に感じられる。
とはいえ、お茶会の異様な世界観がケレンミたっぷりに表現されているため、異世界ファンタジー路線として、純粋に楽しむことが可能。宮下順子の、性の伝道師ぶりも堂に入っている。
