イチロヲ

美女とエイリアンのイチロヲのレビュー・感想・評価

美女とエイリアン(1957年製作の映画)
4.0
地球人の血液を調査しているヒューマノイドが、雇い入れた女性看護師から疑いの目を向けられてしまう。人間に擬態した地球外生命体の孤軍奮闘ぶりを描いている、SFサスペンス・ホラー。

サングラスで白眼を隠し、採血マシーンを携帯する異星人が、こっそりと人間の血液を採取していく。自身の身体で生体検査をおこなうところが醍醐味であり、故郷の民を救うためとはいえ、末端の"雇われ労働者"感に普遍的な悲哀が漂っている。

白眼を見せることにより相手を気絶させたり、脳内に語りかけてマインド・コントロールしたり、超人的な能力を兼ね備えているのだが、地球上に送られてきた異星人が"天然系"のため、ココぞというところで膝カックンに陥る。

高周波を苦手としているため、女性の悲鳴を嫌がるところが斬新。広げた傘にしか見えない、変なクリーチャーの登場もキッチュで面白い。女性看護師視点のサスペンスよりも、異星人側のジタバタ劇のほうに興味が集中する。
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