公式映画コメント記録アカウント

あるいは、ユートピアの公式映画コメント記録アカウントのレビュー・感想・評価

あるいは、ユートピア(2024年製作の映画)
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世界、ディストピア、国、アナーキー、そばにいる誰かの脳内、アンチュートピア、あるいはユートピア
✌️世界PEACE———今井寿(BUCK-TICK・ミュージシャン)

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笑えないのに、笑えてくる。
たとえ絶望的でも、踊りたくなる。
シニカル。なのに不思議と温かいのは、人間が人間らしさを取り戻していくから。
金監督の長編デビュー作が、あまりにも金監督らしくて、それがとっても嬉しかったです———仲野太賀(俳優)

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ある大切な映画に、少女が動物園の檻の鍵を次々に開けて、動物たちを逃してやる場面がある。
そんななか羽ばたいてゆこうとしない鳥に向かって、少女は「ほら早く」と呼ぶ。
それでもその鳥は、扉が開いた檻に閉じ籠ったまま、動こうとはしない。
わたしたちは自由に大空を飛びまわることを最上の価値と見徴し、見果てぬ外の世界にこそきっと幸福があるはずだとじて疑わない。
「あるいは、ユートピア」はそうした定説を揺るがしながら、隔離と東縛にこそ生かされる者たちが様息する動物園へと、貴方を迷い込ませてゆく。
この映画が幕を閉じるそのとき、貴方は一体どんな顔をしているのだろう?———児玉美月(映画批評家)

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世界の終わりにホテルに閉じ込められた十数人の群像劇。この設定とタイトルから想像するのは、災害ユートピアの話か、エスカレートする狂気と混沌、あるいは密室殺人的なミステリー。どの要素もあれど、どれとも違う。人が生きるためには何が必要か、そういうことについての映画だと思った———前川知大(劇作家・演出家)

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正直に申します。洒落たキレのあるコメントをできたらいいなと本作を鑑賞したら、胸熱で剥き出しのコメントになりました。
「ラスト10分、息止まりました。金允沫監督、会心の長編映画デビュー作。必見です!」———青野春秋 (漫画家)

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金允沫はヌルくない。

この世界が生きづらいと思ってる者にとって、誰からも理解されないと思ってる者にとって、周りの人間はみな敵だ。
苦しい状況にいる者は戦いたいし逃げ出したい。
でも敗北するのは怖いし安住の地はない。
絶望した者が集まったところで痛みが和らぐわけじゃないし共感されるわけじゃない。
答えなんてない。
意味なんてない。
「でも、それでも、あなたならどうする?報われるとは限らないけと」
この世界は残酷だ。
金允沫はヌルくない。
でも、それが優しさなんだと思う———瀧川鯉八(著語家)

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