Keigo

アラビアのロレンス/完全版のKeigoのネタバレレビュー・内容・結末

4.5

このレビューはネタバレを含みます

序曲が終わって最初の画面、上からバイクを映したショットにタイトルドーン!に痺れる。名作の予感がプンプンしてくる。そして主人公らしき人物がバイクをかっ飛ばしたと思ったら早速の事故死。胸像を建てられた彼への人々の印象はそれぞれだ。どうやら彼にまつわる物語であるらしい。

歴史モノを観ると毎度の事ながら、自分の不勉強を痛感する事になる。これがどの程度史実に基づいたものかは調べてみないと分からないので困惑するが、鵜呑みにはせずともとりあえずはそのまま受け取る。それでも戦争の時代を生きるロレンスという一人の人間の葛藤や苦悩は十分伝わってくる。

当時の国家間の情勢や思惑、アラブの部族間の関係性など、理解が及ばない部分もあったとは思うが、それを差し置いても、より感覚的に印象に残る場面がいくつもあった。

ロレンスがマッチの火を吹き消すシーン、広大で苛烈な砂漠の風景、遠くからアリが現れるシーン、ガシムを助けに戻ったロレンスを召使いのファラージが待っているシーン、アカバへの襲撃シーンやその他戦闘シーンの迫力、奇襲した列車の上で陽を浴びたロレンスのシルエット...月並みな表現で言えばどこを切り取っても絵になるショットの連続で、ただただ圧倒されるばかり。

歴史モノであり伝記映画であることは間違いないだろうけど、自分は運命についての物語だと思いました。とにかく壮大で、荘厳で、崇高で、そんな印象を持たざるを得ない圧巻の名作でござんした!
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