圧倒的権力の下で揺れるイリエ。のらりくらりするのにはとある理由がありました。若き警察官のヴァリはそれを知ることもなく…。
徐々に明かされる小さな村の腐敗と闇。スローペースな序盤がラストに向けて効いてくるのが◎。振りかざすのは己の正義か、権力への服従か。迫られるは究極の選択。
東欧らしい鬱屈とした作品でした。ルーマニアといえば独裁者チャウシェスク。舞台は現代だけど、年代によってはチャウシェスク時代の名残があるのかな。
前半はパッとしないイリエにイライラきましたが、それも計算済みでしょう。だからこそあのラストが光る!
事の次第の全てを知るのは逃げ出した雄鶏のみ。